友人が経営するビンテージレコード店のビジュアルと、特にこだわりの名刺デザインを担当しました。この仕事を通じて、改めて彼のレコードへの情熱、そしてその店が持つ「深さ」に気づかされました。
肘下に隠された謎と情熱
彼の店は、単なる中古レコード店ではありません。友人との飲み会の場でさえ、彼の「肘の下」には常にレコードが隠されています。まるで身体の一部であるかのように。
その肘下にあるレコードが、私たちの賑やかな飲み代の優に10倍以上の価値を持つ代物だったりするのが、また彼の店の「謎」であり、魅力でもあります。これは、彼が取り扱う品々が、いかに希少で深い物語を背負っているかを示しています。
彼はただレコードを売っているのではなく、その「価値」と「物語」を丁寧に扱っているのです。
手作業の型抜き名刺に込めた「唯一無二」のこだわり
今回デザインを担当した名刺には、彼の店が持つその「深さ」と「こだわり」を象徴する仕掛けを施しました。
- デザインモチーフ: 富士山をモチーフにした名刺です。これは、レコードの針が山を登るように、音楽を追求する姿勢を表しています。
- 特殊加工: 名刺には、富士山のシルエットを表現するために型押しを施し、穴を開ける仕様にしました。
- 「手作業」の意義: しかし、型抜きではどうしても細かい部分の紙が落ちきらないという問題が発生します。この最後の、わずかな紙片を取り除く作業を、私たちは一つ一つ手作業で行っています。
この「手作業」こそが、彼の店の精神です。大量生産や効率を求めず、一枚一枚のレコードに、そして一枚一枚の名刺に、人の手による時間と手間をかける。その積み重ねが、他にはない「深い」価値を生み出しています。
クラシック音楽愛好家へ
彼の店は、特にクラシック音楽のレコードに強いこだわりを持っています。
そのレコードの価値は、知識がない私たちには計り知れませんが、店主の肘下にレコードがあるのを見るたび、私たちは「ああ、これは本物だ」と感じます。
クラシック音楽に興味がある方、あるいは単なるレコードではなく、「深い物語と価値」を持つ品に出会いたい方は、ぜひ一度、この謎多き店を訪ねてみてください。手作業で仕上げられた名刺のように、丁寧な仕事が施された一枚を見つけられるはずです。